ピアノ講師ぴちち先生の五感

「発表会の服は?曲は?」「ピアノって認知症予防になるって本当?」「指使いって大事なの?」等、普段よく質問される事柄についてピアノ講師歴約20年の経験から綴っていきます。日々のレッスンで感じた事等も交えて。

コンクール

 

「発表会とコンクールってどう違うんですか?」

これも時々質問されます。

 

発表会は学校の運動会、コンクールは学校外での陸上記録会みたいなものと思って頂ければいいでしょうか(ちょっと違う?)。

発表会はあくまで「通っている教室内」での発表の場であって、弾く曲も自由だしレベル関係なく日頃の練習の成果を披露する場。

コンクールは教室を飛び出して見ず知らずの同学年の子達と「賞」を競うものです。学年によって課題曲・自由曲など決められており、誰でも参加できるほど簡単な曲は用意されていません。「地区予選の上位入賞者は本選へ、本選の上位入賞者は全国へ」という流れのものが多いです。とにかく発表会よりはかなりハードルは高い。先生にコンクールの話を持ちかけられた生徒さんはコンクールに出れるレベルだと先生が判断したから声を掛けられたと思っていいでしょう。

「音楽は競うものではない」とよく言われるし、私もそうは思うけどやはり「賞」がある以上コンクールの場は競う場であると思います。いわば一つの挑戦。自分の演奏がいつも習っている以外の先生や演奏家達にどう評価されるかを知ることができる貴重な機会。今は大抵のコンクールで演奏者一人一人に審査員の「個評」というものが後からもらえるのですがこれはとてもありがたいことです。

今はたくさんのコンクールがあって、実は私も全部は全然把握できていないのですが、大抵課題曲には「バロック時代の作品」が用意されています。

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 ↑ 代表的なのはこのお方

   バッハ様(1685-1750)でございます。

 

このバロック時代の作品をとことんまで勉強しつくことはとても意義のあることです。

バロック時代の作品の代表的な作曲家はバッハです。子供にとっては華やかさに欠ける割に難しい、という思いを抱かせる曲が多く、発表会では小さい子には使いづらい。それにバッハの曲を小さい子がきちんと弾くのはそれはそれは大変なことなのです。

バッハは「何回も弾いていれば上手になる」とかそういう類のものではなく、なんとなく音もリズムも間違いなく弾けてるようでも「バッハの弾き方」をきちんと勉強しないとそれらしく聞こえないのです。

その練習が

まー本当に大変

バッハについてはまた別の機会にゆっくり書きたいテーマですが、とりあえず何の曲でもコンクールの為の練習は大変。

家族も大変。

「練習しときなさいよー」くらいでなんとかなるものではなく、親もメモを取り、レッスンを録音し、一緒に作り上げていくくらいの覚悟がないとなかなか曲を仕上げる事は難しい。お父さんも休みでゆっくりしたくても娘のピアノの音に耐えねばなりません。

練習時間としては幼児であっても最低1時間。

頑張って賞がほしいなーという子は2時間。

上位入賞を狙う子は3時間以上の練習が必須。

ちなみに私も子供の頃コンクール受けた事はありますが、全然闘争心のない子だったので「1時間練習」でずっと通していました。それでもなんらかの賞はとれたのですがもっと上の賞が欲しいとかが全くなかったのでそれ以上の練習はしませんでした。

もう「ある程度(子供基準)」弾けているのに重箱の隅をつつくような練習はしたくありませんでした。その頃の私と同じ教室のいわゆる「コンクール組」と言われてたメンバーは皆2時間、3時間の練習をしてコンクール上位入賞を果たしていましたが、皆中学に入ってバタバタとピアノをやめていきました。

辛かったのです。

皮肉な事に私のようにのんびりやっていた子が結局ピアノを続けて音大まで行って先生までやってる始末。多分私も家で毎日3時間の練習を強制させられていたら嫌になっていたかもしれません。

じゃあなんでコンクール受けていたかというと「楽しかったから」

普段と違う雰囲気での集団レッスンも楽しかったし、何より同じ曲でも弾く人が違うと違う演奏になるというのが私にはすごく興味深かったのです。だから自分は出ないくせに本選をはるばる遠くまでよく見に行ってました。

今だったら5時間でも6時間でも練習するときはあります。自分にとって「必要」と感じるから。

「やらされてる練習」「自主性のある練習」バランスがとても難しい。子供なのである程度の強制は必要ですが「やらされてる感」が強すぎるとある日いきなりプツンと糸が切れてピアノ自体が嫌いになることもあります。私は今までそういう例をたくさん見てきました。だから自分の生徒には1時間以上の練習を強制することはあまりありませんが、「このように弾けるようになりたいのだったら、この練習をこなさないとできるようにはならないよ」とできるだけ自ら「必要」と思えるようにしています。

それと同時に「お母さんと子供」のやる気バランスをお母さんが調整するのも本当に難しい。どのお母さん達も本当に悩んでいます。

 

あと大事なこと

コンクールの結果は絶対ではない

ということ。あくまでも人間が評価することなので多少の好みが入ったり、考え方の違いによる加点、減点はあるのでもし結果があまりよくない場合でも必要以上に落ち込んではいけません。よくあるのが「ちょっとつたないけど、心に残る感動した演奏」「心にはグッとこないけどテクニックは完璧」のような真逆の演奏の場合、後者の方が評価されることは多いです。特にコンクールの場合は。

フィギュアスケートのようにやはり難易度の高いものを本番でこなした人が点数が高いのと同じように、ピアノの場合でもそういうことは多いです。情緒面は無視されているわけではありませんが、点数がつけにくいのです。

でもそういう場合は審査員からの個評に「のびのびと弾いていましたね」とか「よく歌っていますね」等の優しい一言が添えられる事があります。これって聞いている人にいい印象を与えた=よい気持ちにさせた、ってことですから素敵なことですよね。

あとはですね

井の中の蛙にならずにすむ」 

子供のうちに視野を広げておくのは大切です。

 
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