ピアノ講師ぴちち先生の五感

「発表会の服は?曲は?」「ピアノって認知症予防になるって本当?」「指使いって大事なの?」等、普段よく質問される事柄についてピアノ講師歴約20年の経験から綴っていきます。日々のレッスンで感じた事等も交えて。

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ハノンってやった方がいいの?

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「ハノンは必要なんだろうか?」

 

↓ハノンです

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この質問は、生徒さんから直接聞かれることはありませんが、ピアノ学習者の中ではよく疑問に持たれることの一つです。

 

実はこれ、先生方の中でも意見がかなり分かれます。

 

ハノンというのは端的にいうと「指の訓練の為の本」です。

美しいメロディーが存在することもなく、一つのパターンを高さを一音ずつ変えながら淡々と黙々と指を動かしていく「作業」をしていきます。

「譜例1」

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楽譜はこんな感じで、模様として見ると同じことの繰り返しなのが伝わるかと思います。

黒い音符がズラズラ並んでいるので難しく見えますが、一つのパターンさえ覚えてしまえばゆっくりであれば弾くこと自体は難しくありません。

ただ、この単調さが

「音楽的ではない」

「面白くない」

という理由が人気ガタ落ちの理由です。

「ハノンが弾けるようになったって、ハノンは上手になるかもしれないけどいま練習しているショパンが上手になるわけではないでしょう?」

こんなことも言われちゃいます。(実際私が言われた)

そしてこの「面白くない」という理由は子供達を「練習嫌い」「ピアノ嫌い」にさせてしまいます。

大体このような理由からピアノの先生の中でも賛成派と反対派に分かれます。

 

私の個人的意見では

「ハノンはやっておいた方が良い」であります。

理由は3つあります。

①譜読みが簡単なのに指を速く動かす訓練をすることができる。

②弾き手のレベルに応じて調節が容易。

③リズム練習という練習の仕方を学ぶことができる。

 

まず①ですが、特に初心者の場合は難しい曲を弾けるレベルになるまでは速く指を動かすことはあまりありません。しかも両手で。少し曲が進んでブルグミュラーソナチネを弾くようになってきたとしても、速いパッセージは右手が主ですし、その前にまず譜読みに時間がかかってしまいます。

指は速く動かしていないと速く動くようになりません。

最初の「譜読み」のハードルがぐっと下がると、すぐに指を動かす方に集中できます。

あとはこの単調な「パターン化」を身に付けることも大事です。

「ドミファソラソファミ」の一つ上は

「レファソラシラソファ」。

無論指だけ機械的に動かすのではなく頭でも何の音を弾いているのかをちゃあんと意識しなければせっかく弾いていても勿体無いです。

 

次に②(弾き手のレベルに応じて調節が容易。)

弾き手のレベルに合わせて調節できるのは便利です。まだ速く指が動かない場合はゆっくりきちんと弾くことをしますし、両手とも同じ動きをするので左手が遅くなってズレたり、苦手な指遣いだとスベったりというのが、初心者でも自覚できます。

逆に上級者になると、もちろん速度を速くしますし続けて3回弾くとか、1番か5番を通して4回弾くとかそういうタフな使い方もできます。筋力を鍛えて持続性をつけるのもまた大切なのです。

これが曲になると「速く弾けるからこそカッコいい」とか「ここ好きだから速く弾きたい」など余計な感情が入って速くなったり遅くなったりが起こってきます。

「弾く」のと「聴く」のは別の意識を使うのでこの面白味のないハノンを弾くという作業は「聴く」意識に集中できると考えています。

 

で、(リズム練習という練習の仕方を学ぶことができる。)

「リズム練習」とは一体何なのかというと、わざわざリズムを変えて練習をすることです。

ハノンの巻頭の方にこんな表があります。

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どうやって使うかというと、

先ほどの 「譜例1」とやらの楽譜を最初から最後まで、11番のリズムで全部弾くという訳です。

一番オーソドックスなのは13番と14番のリズムです。

これは普通の曲でも必須な練習法です。「速くて難しい箇所」が出てきたらすぐこのようにリズムを変えて練習をします。なのでリズムパターンをいくつか頭に叩き込んですぐに応用できるようにします。

「指動かない!キー!」となってやみくもに何度も同じことを繰り返したって、悪いクセがより悪くなるだけです。

リズムを変えて練習することによりかなり改善します。

リズム練習はかなり重要な練習法ですので、これを身に付けるためにもハノンは有効だと思います。

 

私はこれらの条件が入っていたら特にハノンの教本にこだわることはないと思っています。ちなみに私が幼少期に使っていたのはこれです。

新訂 ピアノのテクニック

新訂 ピアノのテクニック

 

ただこれ・・・いいんですけど、結局やってることはハノンと変わらないのですけどなんか使いにくいんです。

自分が使ってた分にはよかったんですが、これを使って生徒に教えるとなると、なんかいっぱい説明しなきゃならないことが多くて時間かかるんですよね。私だけかな。

ハノンだと1ページを使って1番ってわかりやすいんですけど、この本の場合は1番から6番くらいまでが1ページにコンパクトに収まっていて、進んだ気がしないというか・・

例えば1番の1小節分だけ記されていて「後は同じパターンでやってね♪」という具合ですごく省略されているのです。そしてその下にリズムパターンがいくつか表示されていて、それが2番、3番ごとに有益なリズムパターンが 表示されています。

1ページの情報量が非常に多いのです。

そういった意味では省エネですし、内容もとても濃いので素晴らしい教材ではあるのですが、初心者には使いにくいかも・・・というのが正直な感想です。

 

 
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